Excelのグラフの範囲を自動更新する

まやまや
質問:値を入力するとグラフも更新されるようにしたいです
Excelの表に行を追加して追加した値を入れると、新しく入力した値も含めたグラフに更新されるようにしたいです。 値の入力のたびにグラフのデータ範囲を手動で変更するのは面倒です。良い方法はありますか?

概要

Excelで日々追加されるデータなどの場合、グラフの範囲を自動更新したい場合があります。この記事ではグラフを自動更新する手順を紹介します。
Excelのグラフ範囲を自動更新する方法として、次の2つの方法があります。

  • 値が入力されているセルの範囲を返すデータ範囲を名前定義しておき、そのデータ範囲を利用してグラフを描画します。値が入力されているセルの範囲を返すデータ範囲は十分大きな範囲で作成しておきます。
  • テーブルを利用します

セルの範囲を返すデータ範囲を名前定義する方法

十分大きなデータ範囲を名前定義する

Excelを起動し、下図の表を準備します。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像1

日付
2023/1/145
2023/1/252
2023/1/324
2023/1/454
2023/1/532
2023/1/636
2023/1/745
2023/1/828
2023/1/936
2023/1/1063
2023/1/1138
2023/1/12122
2023/1/13115
2023/1/14224
2023/1/1548


"日付"のセルを選択し、リボンの[数式]タブをクリックし、[名前の定義]ボタンを押します。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像2

下図の[新しい名前]ダイアログボックスが表示されます。名前の定義の詳細に関してはこちらの記事を参照してください。
[新しい名前]ダイアログボックスの[名前]の欄に"date"と入力します。この名前は任意です。わかりやすい名称を設定します。
[範囲]は"ブック"とします。参照範囲を下記に設定します。

=OFFSET($B$3,0,0,COUNTA($B$3:$B$1000),1)

Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像3 Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像4

記述の意味は下記になります。

=OFFSET((見出しのセル下のデータの先頭セル),0,0,COUNTA((見出しのセル下のデータの先頭セル):(データ範囲の十分下方のセル)),1)
補足
OFFSET関数は引数に与えられた数値の範囲を返します。詳細についてはこちらの記事を参照して下さい。
補足
COUNTA関数は値が入力されている(空白でない)セルの個数を求めます。詳細についてはこちらの記事を参照してください。


続いて"値"のセルを選択し、リボンの[数式]タブをクリックし、[名前の定義]ボタンを押します。下図の[新しい名前]ダイアログボックスが表示されます。

[新しい名前]ダイアログボックスの[名前]の欄に"value"と入力します。この名前も任意でかまいません。
[範囲]は"ブック"とします。参照範囲を下記に設定します。

=OFFSET($C$4,0,0,COUNTA($C$4:$C$1000),1)

Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像5 Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像6


記述の意味は下記のとおりです。

=OFFSET((見出しのセル下のデータの先頭セル),0,0,COUNTA((見出しのセル下のデータの先頭セル):(データ範囲の十分下方のセル)),1)

グラフの作成

続いてグラフを挿入します。リボンの[挿入]タブをクリックします。グラフのボタンをクリックし、 作成したいフラフの種類のボタンをクリックして、グラフを挿入します。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像7
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像8

グラフが挿入できました。今回は棒グラフにしました。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像9

データ範囲の変更

グラフをクリックし、右クリックでポップアップメニューを表示します。メニューの[データの選択]メニューをクリックします。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像10

[データソースの選択]ダイアログが表示されます。左側の[凡例項目(系列)]欄の[値]をクリックし選択します。選択後上部の[編集]ボタンをクリックします。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像11

[系列の編集]ダイアログが表示されます。
系列名はそのままとします。系列値を以下の文字列に変更します。 "value"は先程"値"のデータエリアを名前定義した名称になります。入力ができたらOKボタンを押します。

=Sheet1!value

Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像12 Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像13

[データソースの選択]ダイアログに戻ります。続いて右側の[値(項目)軸ラベル]の[編集]ボタンをクリックします。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像14

[軸ラベル]ダイアログボックスが表示されます。
[軸ラベルの範囲]欄を以下の文字列に変更します。"date"は先程"日付"のデータエリアを名前定義した名称になります。設定ができたらOKボタンを押します。

=Sheet1!date

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設定は以上で終了です。[OK]ボタンを押して[データソースの選択]ダイアログボックスを閉じます。
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Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像18

補足:SERIES関数を直接書き換える方法
GUIで操作せずに、直接SERIES関数を書き換える方法もあります。
グラフを選択し、グラフ内部の系列データをクリックして選択します。 今回の場合は棒グラフの棒の部分をクリックして選択します。
選択するとウィンドウ上部の数式バーに以下のSERIES関数の数式が表示されます。
=SERIES(Sheet1!$C$2,Sheet1!$B$3:$B$17,Sheet1!$C$3:$C$17,1)
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像19

上部の数式バーのテキストボックスで数式を以下に書き換えます。
=SERIES(Sheet1!$C$2,Book1!date,Book1!value,1)
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像20

数式を確定後、一番下の行に日付と値を追加します。値を入力すると自動でグラフが更新されます。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像21

動作確認

1行下に日付と値を入力します。値を入力するグラフに自動で入力した日付と値が反映されます。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像22

さらに下に値を入力するとグラフの項目も増え、値もグラフに反映されます。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像23

テーブルを利用する方法

データが入力されている部分をテーブルに変換してよい場合は、簡単な手順で対応できます。

テーブルの作成

下図の表を作成します。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像24

表の部分を選択して、ツールリボンの[挿入]タブをクリックし、[テーブル]ボタンをクリックして選択範囲の表をテーブルに変換します。 テーブルに変換する手順の詳細はこちらの記事を参照してください。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像25
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像26

グラフの挿入

テーブルを選択した状態で、ツールリボンの[挿入]タブをクリックしグラフボタンをクリックして、グラフを挿入します。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像27

今回は折れ線グラフを挿入しました。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像28

値の追加

テーブルに値を追加します。テーブルの一番下の行にカーソルを移動し、右gクリックします。下図のポップアップメニューが表示されます。 メニューの[挿入]サブメニューの[テーブルの行(下)]の項目をクリックします。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像29

テーブルに行が追加されました。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像30

日付と値を入力します。値を入力するとグラフの範囲が自動で更新され、グラフに入力した日付と値が反映されます。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像31

同じ手順を繰り返してテーブルに行を複数挿入できます。テーブルに行を追加して値を入力すると、折れ線グラフも自動で更新されます。
Excelのグラフの範囲を自動更新する:画像32

テーブルを利用して、グラフを自動更新する手順を紹介しました。


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著者
iPentec.com の代表。ハードウェア、サーバー投資、管理などを担当。
Office 365やデータベースの記事なども担当。
作成日: 2013-11-03
改訂日: 2023-08-28
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