新しいメモ帳 (Microsoft Store版) が採用しているUIのフレームワークがどうなっているかを調査します。
新しいメモ帳では、ダークモードに対応し、メニューや設定画面のUIなど従来のWindowsアプリケーションと大きく異なっています。
下図のスクリーンキャプチャから、タイトルバーは背景の壁紙の色が反映されており、Micaが使用されていることもわかります。
新しいメモ帳で、どのUIフレームワークが採用されているのかを調べてみます。
アプリケーションのファイルは"notepad.exe"となっており、単一のexeファイルであるように見えます。サイズは340KBあり、
他のランタイムとの動的なリンクはありそうですが、プログラム自体はこのexeファイルで実行されているように見えます。
SPY++でメモ帳のウィンドウがあるか確認します。
ウィンドウ検索を実行したところ、メモ帳のウィンドウが検索で該当しました。
ウィンドウのクラスを見ると、Windows.UI.Composition.DesktopWindowContentBridge
クラスが利用されています。
いわゆるWin32アプリからUWPのコントロールをレンダリングする、XAML Island に近い構成になっています。
プロパティ設定です。一般的なWin32アプリと同じ設定に見えます。
WinUI3アプリのSPY++の検索結果です。
クラスの構成は似ていますが、Windows.UI.Composition.DesktopWindowContentBridge
は使われておらず、
Microsoft.UI.Content.ContentWindowSiteBridge
のクラスが利用されています。
UWPアプリのSPY++の検索結果です。
UWPアプリの場合はBridgeのクラスは使われていないように見えます。
WPFアプリの場合のSPY++の検索結果です。クラス名にWpfApp
の文字列が含まれています。
SPY++での調査から、WinUI 3、UWP、WPFとも違うウィンドウ構造であることがわかりましたが、exe単体ファイルであることや、
ウィンドウ構造がWinUI 3のアプリケーションに似ていることから、WinUI 3のテクノロジーをベースにしたフレームワークで
構築されている可能性が高そうです。