立体の継ぎ目を滑らかにする

立体の継ぎ目を滑らかにする方法を紹介します。

概要

立体が交差するジオメトリオブジェクトで継ぎ目の部分を滑らかにしたいことがあります。 この記事では、立体の交差部分の継ぎ目を滑らかにする方法を紹介します。

手順

今回は円柱が交差する立体を例にします。

手法1: メッシュスムーズ モディファイヤを利用する方法

下図のオブジェクトを準備します。円柱を2本作成し、交差させた状態にします。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像1

ウィンドウ右側のコマンドパネルの[作成]タブをクリックし選択します。 コマンドパネル上部のツールバーの[ジオメトリ]ボタン(円形のアイコンのボタン)をクリックして選択します。 パネル内のツールバー下のドロップダウンリストボックスで[合成オブジェクト]の項目を選択します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像2

合成オブジェクトを選択するとコマンドパネルは下図の表示になります。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像3

片方の円柱を選択し、コマンドパネルの[ProBoolean]のボタンをクリックします。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像4

下図の画面に変わります。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像5

コマンドパネルの下部を下にスクロールし[パラメータ]ロールアウトを表示します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像6

パラメータロールアウトの[演算]グループの[和]のラジオボタンをクリックしてチェックします。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像7

[ブール演算を選択]ロールアウトの[ピック開始]ボタンをクリックします。ボタンが押された状態になり、オブジェクトの選択モードになります。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像8

ビューポートでもう一方の円柱をクリックして選択します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像9

2つのオブジェクトがブール演算により合成されたオブジェクトになります。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像10

[ピックを開始]ボタンをクリックします。ピックモードが解除になります。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像11

コマンドパネル上部の[モディファイヤリスト]ドロップダウンリストボックスをクリックし、リストから[ポリゴンを選択]を選択します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像12

モディファイヤスタックに[ポリゴンを選択]の項目が追加されます。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像13

コマンドパネル下部エリアの[パラメータ]ロールアウトの[エッジ]ボタン(三角形のアイコンボタン)をクリックします。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像14

エッジボタンをクリックするとエッジの選択モードになります。デフォルトの状態で円柱の接続部分のエッジが選択された状態になっています。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像15

エッジの選択状態を確認します。確認すると、エッジの接続部分が選択されていますが、一部接続部分でないエッジが選択されています。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像16

接続部分のエッジを選択します。エッジが足りないため、新しいエッジを追加します。モディファイヤリストのドロップダウンリストボックスから[ポリゴンを編集]を [ポリゴンを選択]の下に追加します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像17

[ポリゴンを編集]モディファイヤが[ポリゴンを選択]の下に追加できました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像18

[ポリゴンを編集]モディ外野の項目をクリックして選択します。選択後[選択]ロールアウトの[頂点]ボタン(点が3つのアイコンのボタン)をクリックします。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像19

頂点の選択モードになります。エッジが足りていない部分の頂点2つを[Ctrl]キーを押しながらクリックして選択します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像20

[頂点を編集]ロールアウトの[接続]ボタンをクリックします。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像21

選択した頂点間にエッジが追加されました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像22
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像23

モディファイヤスタックで[ポリゴンを選択]モディファイヤを選択します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像24

先ほど追加したエッジを[Ctrl]キーを押しながらクリックして選択します。また、接続部分でないエッジを[Ctrl]+[Alt]キーを押しながらクリックして、選択を解除します。 円柱の接続部分のエッジが選択できました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像25

モディファイヤリストのドロップダウンリストボックスから[メッシュスムーズ]の項目をクリックします。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像26

[メッシュスムーズ]モディファイヤが適用されます。全体がスムーズになってしまいました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像27

コマンドパネルの[サブディビジョンの方法]ロールアウトの[メッシュ全体に適用]のチェックボックスをクリックしてチェックを外します。 選択したエッジ部分のみがスムーズになります。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像28

反対側の形状も確認します。図形の破綻はなさそうです。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像29

[サブディビジョンの量]のロールアウトの[反復]の値を増やすと滑らかさが変化します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像30

継ぎ目をスムーズにできました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像31

レンダリングします。継ぎ目がスムーズになりましたが、円柱の上下もスムーズになってしまっています。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像32

円柱のふたの部分のエッジをハードにします。モディファイヤスタックの枠でメッシュスムーズのモディファイヤの項目を展開し、子要素の[エッジ]の項目をクリックして選択します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像33

ビューポートでドラッグしてふたの部分のエッジを選択します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像34

エッジが選択できました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像35

コマンドパネルの下部を下にスクロールし[ローカル コントロール]ロールアウトの[折り目]の値を変更します。デフォルトでは"0.0"が設定されています。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像36

折り目の値を "1.0"に変更します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像37

レンダリングします。円柱のキャップ部分がハードエッジになりました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像38

同様の操作でほかのキャップ部分の折り目の値を"1.0"に設定します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像39

レンダリングします。キャップ部分がハードエッジになりました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像40

円柱の接続部分を滑らかにできました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像41

補足
上記は折り目の値を変更しましたが、[パラメータ]ロールアウトの[サーフェス パラメータ]の[スムーズ結果]のチェックボックスを外しても同様の見た目にできます。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像42
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像43
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像44

手法2: 「面取り」モディファイヤを利用する方法

面取りモディファイヤを利用する別の手順も紹介します。
ProBooleanを利用して円柱を結合します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像45

先ほど紹介した方法を利用して円柱の接続部分のエッジを選択します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像46
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像47

モディファイヤリストのドロップダウンリストボックスから[面取り]モディファイヤを選択して適用します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像48

コマンドパネル下部の[パラメータ]ロールアウトの[面取りオプション]の[量]の値を増やします。値を増やすと接続部分が滑らかになります。 ただし、ポリゴンが一部崩れて黒くなってしまいます。[コーナープション]グループの[終点のバイアス]の値を変更します。
デフォルトでは"0.5"が設定されています。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像49

終点のバイアスの値を下げると、崩れがなくなります。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像50

レンダリングします。接続部分が滑らかになっています。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像51

接続部分を滑らかな形状にできました。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像52

参考:標準のブール演算を利用した場合の結果

ProBooleanではなく、標準の[ブール演算]を利用して結合した場合の結果を確認してみます。
下図は2つの円柱をブール演算で結合した状態です。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像53

[ポリゴンを選択]モディファイヤを適用します。[エッジ]ボタンをクリックしてエッジ選択モードにしますが、 ProBooleanと違い自動で接合エッジが選択されません。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像54

手動でエッジを選択します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像55

[メッシュスムーズ]モディファイヤを適用します。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像56

デフォルトの設定では、ポリゴンの粗さが目立ちます。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像57

メッシュスムーズ モディファイヤを選択しコマンドパネル下部の[サブディビジョンの量]ロールアウトの[反復]の値を増やします。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像58

反復の値を増やすとポリゴンの粗さが若干緩和されますが、ProBooleanより粗さが目立ちます。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像59

面取りモディファイヤを選択した場合は下図の結果となり、ポリゴンの荒れが目立ちます。
立体の継ぎ目を滑らかにする:画像60

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著者
iPentecのメインデザイナー
Webページ、Webクリエイティブのデザインを担当。PhotoshopやIllustratorの作業もする。 最近は生成AIの画像生成の沼に沈んでいる。
作成日: 2022-09-28
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