「マスピ顔(ますぴがお)」とは、Stable Diffusion などの AI画像生成において頻出する、どこか似通った印象を与える典型的な顔つきを指す言葉です。
プロンプトに masterpiece を含めた際に生成されやすいことから、コミュニティ内で「マスピ顔」と呼ばれるようになりました。
表情が整いすぎていたり、感情の起伏が控えめであったりと、キャラクターの個性が出にくいと感じられるケースで使われることが多く、一種の「AI特有の顔つき」として認識されています。
なお、masterpiece というプロンプトそのものが直接の原因というよりは、モデルの学習傾向やプロンプト全体との組み合わせによって現れる表現の一種と考えられています。
近年はモデルの改善や追加学習の進展により、典型的なマスピ顔が生成されるケースは徐々に減ってきていますが、
「いかにもAIが描いた感じの顔」「没個性的な量産型の顔」といった広い意味では現在も使われている言葉です。
マスピ顔という言葉は、登場から数年の間に意味が段階的に拡大しています。
NovelAI Diffusion Anime のデフォルト設定で出力される絵柄を指す言葉でした。 当時は AI画像生成ツール自体が少なく、生成された顔が似通いやすい状況にありました。
Stable Diffusion の普及にともない、NovelAI かどうかに関わらず「AIイラストらしい絵柄」「各モデルのデフォルト顔」を指す言葉に広がりました。 特に Anything 系(SD 1.5)や Animagine 3.x 系(SDXL)の生成結果がマスピ顔と呼ばれるケースが多く見られました。
AI 生成に限らず、手描きイラストに対しても「マスピ顔っぽい」と使われるようになり、個性に乏しいテンプレ的な絵柄への揶揄を含む表現へと変化しています。
マスピ顔は「没個性」「量産型」と揶揄されがちですが、一方で「整っていてきれい」「普通にかわいい」という声も少なくないです。
これは偶然ではなく、人間の美の感じ方に関係しており、心理学の研究では、多くの顔を合成して作った「平均顔」は、元の個々の顔よりも魅力的に評価されることが知られています。
平均的な顔は極端な特徴や不規則性が少なく、バランスが取れているため、人間の脳が処理しやすく好ましいと感じやすいです。進化心理学的には、平均的な顔立ちは遺伝的な健康の指標として機能しており、本能的に惹かれやすいとも考えられています。
マスピ顔は、大量のイラストデータから学習した結果の「平均値」に近い出力であり、
没個性ではありますが、美しく見えることは矛盾しません。むしろ、平均だからこそ多くの人が美しいと感じる顔になっている、と言えます。
個性がないことは欠点として語られがちですが、美的な魅力という点ではマスピ顔は十分にかわいく、美しい顔です。