ピボットテーブルで集計したデータの個数を全体の比率で表示する手順を紹介します。
こちらの記事では、選択肢ごとの人数を表示するピボットテーブルを作成しました。
ピボットテーブルではデータの個数(人数)が表示されていますが、これを比率で表示したい場合があります。この記事では、ピボットテーブルの値を全体に対する比率で表示する手順を紹介します。
こちらの記事で作成したピボットテーブルを開きます。
ピボットテーブルをクリックして、ピボットテーブルを選択します。
選択すると右側に[ピボットテーブルのフィールド]エリアが表示されます。
([ピボットテーブルのフィールド]エリアが表示されない場合はこちらの記事を参照してください。)
[ピボットテーブルのフィールド]エリアの右下の[値]エリアの[データの個数 / 選択肢]をクリックし選択し、右クリックします。
下図のポップアップメニューが表示されますので、[値フィールドの設定]メニューを選択します。
[値フィールドの設定]ダイアログが表示されます。
ダイアログ内のタブの[計算の種類]タブをクリックして選択します。下図の画面が表示されます。
[計算の種類]コンボボックスをクリックします。ドロップダウンリストが表示されます。リストから[総計に対する比率]をクリックして選択します。
[計算の種類]を変更後ダイアログボックスの[OK]ボタンをクリックしてダイアログボックスを閉じます。
ピボットテーブルの[データの個数 / 選択肢]の値が、データの件数から全体に対する比率表示に変わりました。
こちらの記事で作成したピボットテーブルを開きます。
ピボットテーブルを選択して、[ピボットテーブルのフィールド]エリアを表示します。エリアの右下の[データの個数/得点]をクリックし、右クリックしてポップアップメニューを表示します。メニューの[値フィールドの設定]メニューをクリックします。
[値フィールドの設定]ダイアログが表示されます。
ダイアログ内のタブの[計算の種類]タブをクリックしてアクティブにします。
[計算の種類]ドロップダウンリストをクリックします。ドロップダウンリストが表示されますので、一覧から[総計に対する比率]メニューをクリックして選択します。
選択後[OK]ボタンをクリックし、ダイアログボックスを閉じます。
[データの個数 / 得点]の値がデータの件数から、全体に対する比率に変わります。
地下百メートル――湿り気を帯びた鋼鉄の回廊を抜けると、巨大なスクリーンが並ぶ分析室にたどり着く。
壁一面に映るのは世界征服の進捗グラフや、不穏に点滅する警告灯。だが今、その中心で白衣を翻し集まる研究者たちの関心は、驚くほどささやかなテーマに注がれていた。
「ねえ、今期の“ミニオン失踪報告”をまとめたピボットテーブル、数だけじゃボスの機嫌を損ねそうなのよ」
毒々しい紫の研究帽を被ったマダム・クロロフォルムが、キーボードを叩きながら嘆息する。
「総数のうち何%が北極基地で起きてるか――そこを一目で示せ、と仰せなのだ」
隣でコーヒーに液体窒素を垂らしているドクトル・ゼロは鼻で笑った。
「値欄を『個数』で集計したら、後は ‘計算の仕方’ を変えればいい。右クリックで表示形式を切り替えて――『総計に対する割合』ってやつさ」
液体窒素が蒸気を吹き、冷気が床を這う。ドクトル・ゼロの声は氷点下のように平然だ。
しかし向かいのモニターに映る表は数字の羅列。クロロフォルムが眉をひそめる。
「列ラベルごとの比率も欲しいわ。北極基地の中で、どの課が一番“失踪率”高いか見たいのよ」
「なら列を基準にするだけだ。“列の集計に対する割合”に切り替えな」
ゼロがマウスをくるり。瞬時に百分率が並び、北極基地・実験課が堂々の72%を示した。
「やっぱりあそこが噂のブラック部署ね」
クロロフォルムが唇を吊り上げると、背後の暗がりでくぐもった笑い声が響いた。
「ブラックな組織でブラック部署とは滑稽だな」
コートの裾をはためかせ、総帥ナイトメアが姿を現す。スクリーンの数字に目を細め、ゆっくりと頷いた。
「失踪率72%――つまり残り28%がまだ働いている。ならば問題ない。むしろ残存率を評価しよう」
研究者たちがぽかんと口を開ける中、ナイトメアは満足げに踵を返す。
「諸君、比率が示すのは絶望ではなく希望だ。世界征服と同じく、我らに必要なのは残存者の意思なのだから」
ドアが閉まる。静寂。
「……結局、怒られなかったわね」
「むしろ褒められた気がする」
クロロフォルムとゼロが顔を見合わせた瞬間、モニターが再び点滅した。
新たな指令――『残存28%の追加激励プログラムを立案せよ』。
クロロフォルムは肩を竦め、笑った。
「やれやれ、比率を出したせいで仕事が28%増えたわ」
液体窒素の霧を吸い込みながら、ゼロも乾いた笑みを漏らす。
「いいさ。次はピボットで“激励成功率”のグラフでも作るとしよう。……もちろん、総帥のテンションが上がる割合付きでね」
冷たい霧の中、キーボードを叩く音だけが乾いたユーモアのように響き続けた。