Excelで値ごとに個数を集計する - ピボットテーブルを利用した 値ごとの人数集計

ピボットテーブルを利用して、値ごとに個数を集計する手順を紹介します。
具体的な例では、アンケートなどで選択肢の項目の値ごとに、 その選択肢を選択した人が何人いるかを集計する場合です。

手順

下図の表を例にします。 名前と選択肢の列があり、それぞれの名前に対して、1から4の選択肢が記載されています。 それぞれの選択肢を選んだ人(キャラクター)が何人いるか調べたいので、選択肢ごとの人数を示す表を作成します。
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ドラッグなどで表全体を選択し、[挿入]タブの[ピボットテーブル]ボタンをクリックします。
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[ピボットテーブルの作成]ダイアログが表示されます。データの選択範囲、ピボットテーブルの作成先を設定します。今回あらかじめ表を選択しているため[テーブルまたは範囲を選択]の欄はデフォルトのままとします。ピボットテーブルの作成先は[新規ワークシート]を選択します。設定ができたらダイアログ下部の[OK]ボタンをクリックします。
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新しいワークシートが作成され、下図の画面が表示されます。
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右側の[ピボットテーブルのフィールド]エリアの上部の[選択肢]のチェックボックスをクリックしてチェックをつけます。ピボットテーブルに[合計/選択肢]の列が表示され"29"が表示されています。これは、選択肢の数値をすべて合計した値になっています。
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今回は数値の合計ではなく、人数を求めたいので設定を変更します。[ピボットテーブルのフィールド]エリアの右下の[合計/選択肢]を右クリックします。下図のポップアップメニューが表示されますので、一番下の[値フィールドの設定]メニューを選択します。
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[値フィールドの設定]ダイアログが表示されます。表示直後は[集計に使用する計算の種類を選択してください]リストボックスは[合計]の要素が選択されてハイライト表示になっています。
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ダイアログの[集計に使用する計算の種類を選択してください]リストボックスから[データの個数]を選んでクリックし選択状態にします。設定ができたら、ダイアログ下部の[OK]ボタンをクリックします。
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[値フィールドの設定]ダイアログが閉じられます。ピボットテーブルの表示が[データの個数 / 選択肢]に変わり、"12"が表示されています。今回のテーブルのキャラクター数と一致しています。
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続いて、右側の[ピボットテーブルのフィールド]エリアの上部の[選択肢]をドラッグし、[ピボットテーブルのフィールド]エリアの右下の[行]の欄にドロップします。ドロップできると[行]の欄に[選択肢]の項目が追加されます。(下図参照)
ピボットテーブルに[行ラベル]の列が追加され "1","2","3","4"の行が表示されます。それぞれの選択肢のデータの件数が表示されています。
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ピボットテーブルに対してグラフを作成することもできます。
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補足

今回、ピボットテーブルの表示はデータの件数を表示していますが、これを全体に対する比率に変更したい場合は「リンク」の記事を参照してください。

A.W.S (Another World Story)

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蛍光灯の白い光が天井から降りそそぎ、夕方のオフィスは薄い紙のような静けさに包まれていた。 定時まで残り10分。営業分析チームの直樹は、膨大なアンケート結果を貼り付けた Excel シートを睨みつけ、スクロールバーを上下に揺らしていた。 隣席の鮎美は、周囲には見せないふわりと甘い視線を彼に投げ、声を潜める。

「あと10分でまとめを出せる?」
「合計ならともかく、選択肢別に“何人”って数えろってさ……」

二人は“隠れて社内恋愛中”という張りつめた秘密を共有している。キーボードを打つ指先同士がふと触れ合いそうになり、緊張が走った。

直樹が眉間にシワを寄せるのを見て、鮎美の瞳がいたずらに輝く。彼女はさっとマウスを奪い取ると、データ範囲を選択し、リボンの[挿入]をクリックした。
「ピボットテーブルでしょ」
新しいシートが開く。フィールド一覧の“選択肢”を行ラベルにドラッグし、“選択肢”をもう一度値エリアへ――だが表に現れたのは人数ではなく合計値だった。
「あ、やっぱり合計になった」
鮎美はすぐさま値フィールドを右クリックし、“値フィールドの設定”を呼び出す。「合計」を「データの個数」に切り替えると、数字が一瞬で切り替わり、各選択肢ごとの人数が整然と並んだ。

そこへ革靴の足音が近づき、背後で止まる。部長だ。
「お、もう出来たのか? 急がせて悪かったな」
彼は覗き込み、行ラベルの中に「フクロウカフェ」という項目を見つけ、丸い数字「2」を指で弾いた。
「ふむ……少人数で面白いな。次のチーム懇親会はフクロウカフェにするか!」

二人はどよめきに揺れた。――あの項目は、昼休みに直樹と鮎美が書き込んだ“次のデート候補”だったのだ。 秘密のカフェでのデートのつもりが、ピボットテーブルの冷徹なカウントで社内イベントに格上げされてしまった。

椅子に沈み込む直樹の脇で、鮎美がそっと声を漏らす。
「人数は正確に出たけど、誰が行くかまでは数えられないのね……」
直樹は肩をすくめ、笑いをこぼす。
「ピボットは恋心まで分析できなかったか」
彼女は画面の総計「2」を指で示し、囁く。
「でも総計は、ずっと私たちふたりよ」

視線が交わる刹那、ふたりはデータの裏側に潜む秘密を確かめ合う。透明な数式では計れない鼓動だけが、そっと一致していた。


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  • ピボットテーブルで人数を数える
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iPentec.com の代表。ハードウェア、サーバー投資、管理などを担当。
Office 365やデータベースの記事なども担当。
作成日: 2015-07-10
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