Excelの折れ線グラフに縦の目盛り線を表示する手順を紹介します。
Excelの折れ線グラフではデフォルトの設定では、縦の目盛り線は表示されない動作になっています。用途によっては横軸の場所をはっきりさせたいため、縦の目盛り線を表示したいことがあります。この記事ではExcelの折れ線グラフに縦の目盛り線を表示する手順を紹介します。
こちらの記事の手順でグラフを作成します。
グラフをクリックして選択します。選択されるとグラフの周囲8か所に白い四角のハンドルが表示されます。
ツールリボンの[デザイン]タブをクリックして選択します。下図の画面の状態になります。
ツールリボンの[グラフのデザイン]タブをクリックして切り替えます。
ツールリボンの[グラフ要素を追加]ボタンをクリックします。
ドロップダウンメニューが表示されますので[目盛線]の項目のサブメニューを表示します。
サブメニューの[第1主縦軸]の項目をクリックします。
グラフに縦の目盛線が追加できました。
追加した目盛線の書式を変更します。グラフをクリックして選択します。
グラフが選択された状態で、ツールリボンの[書式]タブをクリックします。
ツールリボンの左上のコンボボックスをクリックします。
ドロップダウンリストが表示されますので、[横(項目)軸 目盛線]の項目をクリックして選択します。
コンボボックス直下の[選択対象の書式設定]ボタンをクリックします。
ウィンドウの右側に[目盛線の書式設定]ダイアログがスライドイン表示されます。
[線]のセクションを開き線の太さや線の色、線の種類を設定できます。今回はピンク色の点線に変更します。
縦の目盛線を表示し、線の色やスタイルの変更ができました。
追加した目盛線を削除すする場合の手順を紹介します。
グラフをクリックして選択します。グラフが選択された状態でツールリボンの[デザイン]タブをクリックします。下図の画面に切り替わります。
ツールリボンの一番左の[グラフ要素を追加]ボタンをクリックします。
ドロップダウンメニューが表示されますので[目盛線]の項目をクリックし、サブメニューを表示します。
縦の目盛線が表示されているため[第1主縦軸]がチェック状態になっています。
表示を消したい項目である[第1主縦軸]の項目をクリックします。
縦軸の目盛が消えます。
Excelのグラフの縦の目盛り線の追加や削除ができました。
午後二時、理科室の奥にあるパソコンコーナーには西日の粒子が漂い、モニターのガラス面に金色の埃がきらめいていた。
三年二組のグループワーク――地球温暖化のデータ分析――は、ちょうど月別平均気温の折れ線グラフづくりの山場を迎えている。
キーボードを打つ音が途切れ、エンターキーの軽い反動が空気を揺らした。
――横に目盛り線は出たけど、縦の線がなくて数字の位置がわかりづらい
背の高い陽翔が椅子を軋ませてぼやく。画面では、青い細い軌跡がジグザグに走るものの、月ごとの区切りは曖昧だ。
机を挟んで向かい合う唯は、ほつれた前髪をかき上げながらマウスを握り直す。
――じゃあグラフを一回クリックね。枠が点線になったら、上に現れるタブを探すの。
タブの列には、見慣れない薄緑の帯が光っている。
唯は目を細めてカーソルを滑らせ、
――グラフ デザイン、そこ押して…次に“グラフ要素の追加”。
リボンが展開するたび、陽翔と芽衣の肩が同時に前へ傾く。
――それで“目盛線”。横の三角を下げて――
――あ、あった。“縦(主目盛)”!
芽衣の指先が勢いよくトラックパッドを弾いた瞬間、画面に等間隔の薄灰色の帯が走り、十二か月がきっちりと区切られる。青い折れ線は定規で引き直したように凛とし、数字がすっと読み取りやすくなった。
――これで平均気温の上がり方が一目瞭然だね
陽翔が満足げに頷く。
次のタスクへ移ろうとしたとき、芽衣が首をひねる。
――ねえ、「縦の主目盛線」って、“縦シュモク線”だと思ってたの、私だけ?
聞き慣れない響きに唯の肩が震える。脳裏ではハンマーの頭を持つシュモクザメたちが背比べのように直立し、グラフを泳ぐ幻が揺れていた。
――私は、シュメモリセンだと思ってた・・・
唯がぼそりとつぶやく。
陽翔が腹を抱える。
――サメがこれだけ並んでたら、気温より海中パニック指数のグラフでしょ
三人は机に伏して笑い、椅子のキャスターがきゅっと床を滑った。
やっと呼吸を整えると、陽翔がおどけてファイルを保存する。
――“hammerhead-free”でいっか。今日はサメもモリセンも禁止ね
フォルダーに奇妙な名前が刻まれ、チャイムが鳴った。
縦の主目盛線はしっかり残り、サメの幻影だけが去った。
翌週の発表会、先生が褒めたのは視認性抜群のグラフと、タイトルスライドに小さく添えられた注釈――〈※縦シュモク線ではありません〉――だった。
会場に笑いが波紋のように広がり、三人は目を合わせてガッツポーズ。シュモクザメは姿を見せずとも、確かなオチとして泳ぎ切ったのだった。