HP EliteBook G5, G6, G7 / HP ENVY などキーボードにScroll Lock キーがない
ノートパソコンの場合、スクロールロックやスクロールロックの解除をどのように操作すればよいかわからない場合があります。
下記のキーを押すことで、スクロールロック、スクロールロックの解除ができます。
別の方法としてスクリーンキーボードを使う方法もあります。
[Ctrl] + [Alt] + [Del] キーを押します。下図のメニュー画面に切り替わります。
右下の3つのボタンの中央のボタン[アクセシビリティ]のボタンをクリックします。
ボタンをクリックすると、下図のメニューが表示されます。メニュー内の[スクリーン キーボード]の項目をクリックします。
スクリーンキーボードが表示されます。スクリーン キーボードの右側の[ScrLk]のキーが青色表示になっており、ONの状態になっていることが確認できます。
[ScrLk]のキーをクリックしてスクロールロックを解除します。
ソフトウェアキーボードを利用してScrollLock キーを解除できました。
ScrollLockキーのあるPCのキーボードが手元にある場合は、USBコネクタにPCのUSBキーボードを接続して、ScrollLock キーを押す方法もあります。
Scroll Lock キーがある場合はキーボードの[Scroll Lock]キーを押します。
一般的なキーボードでは、[Insert]キーの右上、[Print Screen]キーの一つ右側のキーです。
キーボードにスクロールロックのインジケーターランプがある場合は、ランプの点灯で確認できます。
点灯している場合は、スクロールロックされています。
Excelでも確認できます。スクロールロックされている場合は、ウィンドウ下部のステータスバーに[ScrollLock]の文字列が表示されます。
スクロールロックされていない場合は、ScrollLockの表示はありません。
夕暮れがファミレス〈サニーグリル〉の大きな窓ガラスを染め、テーブルの上に落ちたオレンジ色の影が揚げたてポテトの湯気と重なった。
制服姿の女子高生、理科部の機械好き・真白と、放送部で機材担当の菜月は向かい合い、HP の薄型ノート PC を開いたままソファに腰掛けている。
「ま、また画面が動かない……! Excel のカーソルが動かなくなっちゃって、画面がスクロールしちゃうよ」
菜月が眉を寄せてトラックパッドを叩くと、真白はメロンソーダのストローをくるくる回しながら口角を上げた。
「ScrollLock かかってるんじゃない?」
「でもうちのキーボード、ScrollLock キー自体が無いんだけど?」
「最近のノートはキーが削られてるから、“Fn+C”とかで代用してる機種が多いんだって」
「……説明書、読めってこと?」
「PDF なら公式サイトにあるけど、ここの Wi-Fi 遅くて開く前に日が暮れそう」
ふたりは肩を寄せ合い、キーボードの隅々を探りつつあれこれキーを組み合わせて押す。
「Fn+S ……ダメ」
「じゃあ Fn+C……?」
ピロン、と画面右上に「ScrollLock オン」と淡い通知。
「オンになったってことは、もう一回押せばオフになるはず!」
再度押すと通知は消えた。でもスクロールバーは頑として動かない。
「いまの通知、幻?」
「“トグル”じゃなくてワンショット仕様かも。呪文かよ」
菜月は頭を抱え、代わりに「チョコサンデー追加で!」とテーブルの注文タブレットのボタンを連打する。イライラが糖分へ変換された瞬間だった。
食器を下げに来た顔なじみの店長代理の田村さん(推定アラフォー)が、二人のノート PC を見て眉を上げる。
「キーボードが言うこと聞きませんか?」
「ScrollLock が解除できなくて……」
「Windows なら“スクリーンキーボード”を出すといいですよ。タスクバーで“osk”と打てば仮想キーボードに ScrollLock が出ます」
真白はすかさず検索窓に「osk」と入力。画面に浮かぶフローティングキーボードの右上、“ScrLk” をクリックする。瞬間、Excel のカーソルがするりと滑り出した。
「やった!」
「田村さん、Excel の“テーブル”さばきも、ファミレスのテーブルさばき並みに鮮やかですね!」
真白がダジャレを放つと菜月が噴き出し、田村さんは苦笑いしながら、真白たちが飲み終えたグラスを片付けた。
窓外では夕焼けが群青へ溶け、店内のネオンが柔らかく点り始める。
「じゃ、課題の続きする?」
菜月が勢いよくホイールを回しかけたそのとき、画面にバッテリー残量5%の警告がポップアップし、ノート PC が無情にもブラックアウト。
「……アダプター忘れた?」
「ScrollLock より重大じゃん!」
顔を見合わせた二人の笑い声が、ポテトのはじける音と混ざって店内に弾んだ。
スクロールは解除されたのに、課題は見事に“ロック”されたまま。めでたしめでたし――かどうかは、次に電源が入るまでおあずけだ。