SONY BRAVIA A9F (KJ-55A9F) のレビューです。
新型コロナウイルスが蔓延しており、家ごもりの生活が続いています。ニュースを見る機会も増えたことや、新しいゲームでも購入して大画面で遊ぼうかということで、
新しいテレビの入手を考え始めました。
これまでのテレビの使用歴は、SHARP LC-20D50 (20インチ 2009年製) を購入して利用していましたが、サイズがあまりに小さいため、余っていたPanasonic TH-L32C2 (32インチ 2010年製)に交換して利用していました。
しかし、32インチのテレビでも、最近のゲームではサイズが小さく、メニューの文字が見にくかったりしました。また、スタンダードクラスの製品のため、サウンドも普通な感じで
ゲームやDVDを見るにはちょっと貧弱な印象でした。
この状況を踏まえて、以下の条件でテレビを探すことにしました。
上記の条件で探したところ、SONYのBRAVIA A8Hシリーズ、A9Gシリーズ、A9Fシリーズが良さそうとのことになりました。
選定時には、A8Hシリーズは未発売、A9Gシリーズが現行モデル、A9Fシリーズが型落ちモデルのため、A9Gが有力な選択肢でしたが、
A9GシリーズはBS 4Kチューナが搭載されている代わりに、
スピーカーの個数が少ないなどの違いがあるため、型落ちモデルでのディスカウント価格であることも踏まえ、A9Fシリーズを入手することにしました。
簡単な比較ですが、スピーカーの個数、4K BSチューナー、リモコン、に違いがあります。
A8Hシリーズ | A9Gシリーズ | A9Fシリーズ | |
---|---|---|---|
画素数 | 3,840×2,160(4K) | 3,840×2,160(4K) | 3,840×2,160(4K) |
画像チップ | X1 Ultimate | X1 Ultimate | X1 Ultimate |
超解像チップ | 4K X-Reality PRO | 4K X-Reality PRO | 4K X-Reality PRO |
倍速駆動 | 〇 | 〇 | 〇 |
ピクセル コントラスト ブースター | 〇 | 〇 | 〇 |
HDR | 〇(HDR10/HLG/Dolby Vision) | 〇(HDR10/HLG/Dolby Vision) | 〇(HDR10/HLG/Dolby Vision) |
トリルミナスディスプレイ | 〇 | 〇 | 〇 |
スピーカー(アクチュエーター) | 2 | 2 | 6 |
スピーカー(サブウーファー) | 2 | 2 | 2 |
スピーカーch | 2.2ch | 3.2ch | |
4K BSチューナー | 〇 | 〇 | - |
マイク付きリモコン | 〇 | 〇 | 〇 |
リモコン通信方式 | 無線 | 無線 | 赤外線 |
2画面表示 | - | - | - |
Amazonで購入しました。
価格の手ごろな55インチモデルを選択しました。2018年のハイエンドモデルですが、終売に近い時期であったためお安く入手できました。
パネルの技術進歩やメンテナンス性、Android最新バージョンへの対応などを考慮して総合的に判断すると、最新型(2024年時点では(XRJ-55A95K)を入手するのがおすすめです。
2日後に届きました。巨大な箱です。
上部のふたを開きます。「組み立て/設置ガイド」が一番上に入っています。左側に背面パネル、右側に転倒防止用のパーツ、奥にはリモコンが梱包されています。
こちらが「組み立て/設置ガイド」のチラシです。
開いて開封手順を確認します。
箱の上部に、パネルが梱包されているので取り出します。こちらは背面に取り付けるパネルになります。
箱の下側に白いプラスチックの四角いパーツが左右に2つ取り付けられています。こちらを外します。
中央をつまんで、上に引き上げると外せます。裏側にもあるため、全部で4か所のプラスチックパーツを外します。
外側の箱を引き上げます。
こちらが背面側です。
ポケット部分に取扱説明書と電源ケーブルが梱包されています。
取扱説明書が梱包されている袋です。
梱包物一式です。説明書、B-CASカード、壁掛け用のパーツなどが梱包されています。
反対側のポケットには、台形のパーツが梱包されています。非常に重いパーツです。
パネル側の段ボール板を外します。
箱の底部分と発泡スチロールを止めているツメを外します。
台形のパーツを開封してTV本体に取り付けます。
ビニールシートを外します。背面には設置の注意ガイドも貼付されています。
背面のこちらのつまみをスライドするとスタンド部分が動かせます。
付属品のねじで固定します。
台形のパーツをスタンド部分に取り付けます。
3か所のねじ穴にねじを取り付けて固定します。
固定できました。
取り付け後、テレビを持ち上げて箱から取り出して、設置します。
スタンド部分には緩衝材が挟まっているので、設置後外します。
外観は下図です。手前側にスタンドが見えないため、フラットでソリッド感のあるデザインです。A9Gモデルは手前側にスタンドが見えるデザインなので、印象がだいぶ違います。
背面側です。背面パネルを取り付ける前の状態です。
端子類は背面と側面にあります。
背面は左から、AC(電源)、センタースピーカー入力、BS/110度CS 入力、地上デジタル入力、端子となっています。
さらに、ビデオ入力、光デジタル音声出力、HDMI入力端子(3系統)、HDD録画のUSBポート、AV周辺機器用のUSBポート、ヘッドフォン端子となっています。
背面向かって右側には、B-CASカードの挿入口と、HDMI入力端子(1系統)があります。
また、背面向かって左側には電源スイッチ、USBポートがあります。
設置します。
背面の[地上デジタル入力]にアンテナ線を取り付けます。
B-CASカードを取り出します。
背面のB-CASカード差込口に差し込んで取り付けます。
リモコンを取り出して電池を入れます。
リモコンは背面のふたをスライドして開けることができます。
付属の電池を取り付けます。
ふたを閉じて取付完了です。
背面パネルです。
パネルは2枚あり、上下に分かれています。
背面パネルを取り付けた状態です。後ろから見てもきれいに見えます。多くの設置パターンでは、後ろから見る機会がほとんどないのがちょっと残念です。
背面には"BRAVIA"のロゴがあしらわれています。
SONYのロゴはディスプレイの左下に控えめに配置されています。探さないと見えないほど控えめに配置されています。
電源を入れると中央下のランプが点灯します。
電源を入れます。下図の「ようこそ」画面が表示されます。リモコンの方向ボタンと決定ボタンで操作できます。[日本語]を選択して決定ボタンを押します。
Android搭載端末でセットアップするかの確認があります。Android端末は無いので、[スキップ]を選択します。
Wi-Fi接続が検出され、接続するWi-Fiネットワークの選択画面が表示されます。いきなり、Wi-Fiのアクセスポイントが表示されたのでちょっとびっくりです。接続するWi-Fiアクセスポイントを選択します。
Wi-Fiアクセスポイントのパスワードを入力します。
Wi-Fiへの接続が始まります。
接続が完了するとアップデートの確認が実行されます。アップデートがある場合、アップデートが適用されます。
Googleアカウントのログイン画面が表示されます。YouTubeがテレビから直接見られるようになるのでGoogleアカウントを設定することにします。[ログイン]を選択します。
ログインの設定を選択する画面が表示されます。今回は [スマートフォンかパソコンを利用] を選択します。
"androidtv.com/setup" にアクセスする旨のメッセージが表示されます。アクセス後PINコードを入力するようにとの説明が表示されます。
Webブラウザで "androidtv.com/setup" にアクセスします。下図のページが表示されます。テレビのスクリーンに表示されている6桁のPINコードを入力します。
入力すると、下図のアカウントの選択画面が表示されます。TVでGoogleのログインに利用するGoogleアカウントを選択します。
ログインに利用するGoogleアカウントを選択します。下図のウェルカム画面が表示されます。画面の[SIGN IN]ボタンをクリックします。
テレビにログインされた旨のメッセージが表示されます。
Googleアカウントのログインの確認ができると、自動的に下図の[利用規約]画面に切り替わります。利用規約に同意します。
[位置情報]を有効にするかの確認があります。[はい]か[いいえ]を設定して次に進みます。
利用統計情報をGoogleに送信するかを設定します。
デバイス名を設定します。同じテレビを2台購入することはなさそうなので "KJ-55A9F" を選択します。~
プライバシーポリシーが表示されます。確認のうえ [同意する] を選択します。
地上デジタルの設定画面が表示されます。[同意する]を選択します。
郵便番号を入力します。
テレビを設置した場所の地域を選択します。
続いて、都道府県を選択します。
地上デジタルの受信設定が実行されます。
検出されたチャンネルの一覧が表示されます。[次へ]を選択します。
設置方法を選択します。今回は壁掛けではないので[テーブルトップ]を選択します。
リモートスタートの設定画面が表示されます。今回はリモートでのTV制御は利用しないので、[切]を選択します。
「かんたん初期設定を終了します」画面が表示されます。以上で設定は完了です。
Android TVへようこそ画面が表示され、Android TVのチュートリアルが表示されます。
最終調整が実行されます。
すべての設定が完了すると、下図のホーム画面が表示されます。[テレビ]を選択するか、リモコンで表示したいTVチャンネルのボタンを押すと、テレビの映像が表示できます。
奥行が32cmあるため、一般的な液晶テレビより奥行きが必要です。また、スタンドとパネルの下面で支える構造のため、テレビ台の後ろ、ぎりぎりの位置に設置すると、台から落ちてしまう構造のため、やや危険です。設置場所はある程度の余裕が必要です。
標準のテーブルトップの設置方法ではパネルが傾斜するため、やや上向きになります。テレビ台が低い場合はちょうどよい角度になりますが、TV台が高い場合は、若干違和感があります。
基本的にパネルの仰角は調整できないようです。
裏ワザとして、スタンドの角度を調節すると角度を垂直に近い位置まで動かせますが、取扱説明書的にはNGです。
また、後ろ足スタンド部分にスペーサーを入れて高さを上げるという方法もありますが、こちらも設置方法としては、あまりよろしくないかと思います。
有機ELパネルのため、黒の発色に締まりがあります。また明るさを上げた時の白の輝度も非常に高く明暗の差が際立ちます。
パネルからサウンドが聞こえてきます。最初は違和感を感じますが、しばらく使っていると慣れてきます。
パネルの中央とパネルの左右の3か所にツイーター(アクチュエーター)がそれぞれある印象です。低音は画面からは聞こえてこず、スタンド部分の左右から聞こえます。
スピーカー8個の効果は非常に大きく、テレビとは思えないほどのサウンド再生力です。高音の鮮明感は非常によく、音楽鑑賞にも十分利用できます。
中音域から低音域もしっかりと再生されますが、最近の住宅環境を考慮しているためか、低音はやや弱めの印象です。とはいえ、しっかり低音部も聞き取ることができます。
音楽再生用のスタンドスピーカーとの違いは中音域の厚み、低音の音圧、迫力感の違いになります。
一方でボーカル音の聴きやすさは、BRAVIA A9Fのスピーカーのほうがほかの音に埋もれず、はっきりと聞こえる印象です。
また、スピーカーがハイレゾ再生に特化しているためか、BRAVIA A9Fのスピーカーのほうがややクールで冷たい感じの印象です。
よく言えば鮮明感、透明感が高い印象です。そのため、長時間のサウンド視聴ではやや聴き疲れする印象です。
ゲーム、音楽再生、DVD再生であれば、このスピーカーで全く問題ないレベルです。さらに環境を整えるのであれば、ウーファーの導入など、5.1chのシステムを導入するレベルになるかと思います。
PCディスプレイとしても利用できます。4K/60Hz対応・HDR対応したHDMIケーブルを利用して4K解像度での出力もできました。
接続に利用したケーブル「500-KC032-3」の詳細はこちらの記事を参照して下さい。
55インチTVをディスプレイ利用する場合、ディスプレイとの距離感が一番の問題になります。Windowsでフォントサイズ100%の場合、文字サイズが小さくなるため、画面に近づくと
画面との角度(視野角)がきつくなり、画面の隅の色が緑味がかって見えることがあります。
1m20cm程度離れて利用すれば、色味の違いはほとんど感じられませんが、やや文字が小さく感じる印象です。また、左右方向は違和感なく利用できますが、
上下方向は首を上下に動かす必要があり、見上げるような使用感になるため、若干使いにくい印象があます。このため、画面の上のほうはあまり使わなくなってしまいます。
プログラミングやグラフィックス作成、表計算、文書作成などの作業の場合は、縦方向に大きなディスプレイよりも、ワイドディスプレイのほうが利用しやすい印象です。
16:9のスクリーンでPC利用を前提とするのであれば、40インチ以下でないと見上げるような使用感になってしまうと思われます。
一方でフルスクリーンでプレイするゲームでの利用は、表計算やプログラミングとは違い、画面から距離をとってゲームをプレイするため、全く問題なく利用できます。
また、YouTube, DVD, BDなどの動画再生用のスクリーン、写真鑑賞用のスクリーンとしての利用は適しています。
有機ELのため、液晶ディスプレイより発色は良いです。黒色が締まり、白色の輝度も高く明暗の差が大きいです。
購入時のデフォルトの設定の画質モード「スタンダード」では色温度が高い状態になっていますので、輝度が高いため、明るさを落とした場合でも、白色に近い背景色では液晶ディスプレイに比べて、まぶしく感じます。Excelのワークシート、Wordのページなど、
標準の背景色が白のため、Excel、WordなどのOfficeアプリケーションの操作ではまぶしく感じることが多いです。
画質モードを「ゲーム」「シネマ」または「グラフィックス」に設定すると色温度が下がります、または、色温度の設定をsRGBに近い「エキスパート1」または「エキスパート2」に設定するとPCのディスプレイ用途でも違和感なく利用できます。
動画視聴や映像の鑑賞、写真編集、グラフィックスの作業などでの用途にはとても適しているかと思います。
明るさを上げて利用する場合は、輝度が高いため、Windowsの壁紙も暗い色に設定し、OSのカラーモードもダークモードにすると比較的利用しやすくなるかと思います。
Macのダークモードでの利用であれば、違和感なく利用できました。
Display PortをHDMIに変換しても音声信号はTVに入力できます。PCのサウンドをTV側で再生できます。スピーカーの音質も良いため、PCのサウンド出力としても問題ありません。
時々背面パネル部分や、本体がきしむ音がします。実用上問題ないので、気にしなければ良いのですが、思い出したように発生するのでちょっと気になる場合があります。
背面パネルを外すと若干改善する場合があります。
Android内蔵TVのため、テレビからYouTubeアプリを起動してテレビ単体でYouTubeを再生できます。Youtube以外にAbemaTVやNETFLIXの視聴もできます。
YouTubeを大画面で再生したことはこれまでほとんどありませんでしたが、YouTubeをテレビで再生するとPCのWebブラウザでの再生とは臨場感や体感が全く違います。
ちなみにYouTubeはTV内蔵のアプリで再生したほうが画質が良いです。
PVも臨場感が全然違います。
こちらも問題なく利用できます。最近のゲームは高解像度のものが多く、メニューの文字も画面サイズに対して小さいものが多く、
32インチではメニューの文字が小さかったりしますが、55インチであれば、メニューの文字も見やすいです。
購入後、テレビを見たり、映画を見たり、YouTubeを大画面で再生したりと便利に使っていたのですが、数か月たったある日突然、画面に常時点灯のドットが表示されるようになってしまいました。
ドット抜けであれば、目立たないので気にならないのですが、常時点灯ドットでかなり高い輝度で光り続けるので、かなり気になってしまいました。
SONYのサポートサイトでWebやチャットサポートで検索しましたが、この症状は掲載されていないため、サポートセンターに解決方法がないか電話してみることにしました。
電話したところ、通常ではあまり発生しない現象なので、訪問して症状を確認するとのことになりました。
数日後にSONYのサービスセンターの方に訪問していただいて確認してもらった結果、対処方法はないとのことでした。
数か所のドット抜けや常時点灯はパネルの仕様であるため、不良ではないのですが、目立つ位置で全力で発光しており、購入から半年もたっていないため、診断の結果、交換できることになりました。
ただし、KJ-55A9Fは生産終了してしまい、在庫もないため、KJ-55A9Gへの交換となりました。
さらに一週間後、交換となりました。SONY BRAVIA A9G (KJ-55A9G) についてはこちらの記事を参照してください。