OMEN by HP 45L Gaming Desktop (GeForce RTX 5090搭載)のレビューです。
ローカルでの生成AIの実行やAI処理を使った画像処理をするために、
OMEN by HP 45L モデル GT22-1990jpを入手して利用してきました。
問題なく利用できていたのですが、最近になり、複数の処理を組み合わせたワークロードや、Qwen-ImageやChroma.1といった新しいモデルを利用する際に、
VRAMが足りなくなる場合や、処理速度が遅く試行錯誤がしにくい状況になってきました。
VRAMが不足すると、メインメモリへのオフロードやフォールバックが発生し、処理速度が極端に遅くなります。
まだ、GeForce RTX 4090でも運用できそうな印象ですが、環境やモデルの進歩が速いため、このタイミングで新しいGPUに交換することを検討しました。
GeForce RTX 4090 の乗り換えとして以下を検討しました。
2025年中旬でのA100の価格は200万円、H100の価格は300-400万円のため、予算オーバーです。
RTX 6000 Adaの価格は 120万円前後、RTX Pro 6000 Workstation Edition は 150万円前後のため、
RTX 6000 Ada (VRAM 48GB)を導入するなら、RTX Pro 6000 (VRAM 96GB)のほうが価格に見合う状況です。
RTX 6000 Ada では GeForce RTX 4090 と処理速度はそれほど変わらない状況であるため選択肢からは外れ、
RTX Pro 6000 は予算オーバーのため、こちらも除外となりました。
もう少し予算を増やせた場合は、TSUKUMO の NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Workstation Edition を搭載したワークステーション(220万円程度)が候補にありました。
消去法でGeForce RTX 5090を導入することにしました。交換かマシンを導入するかでは、交換した場合はRTX 4090が余ってしまうため、
RTX 5090のマシンを導入して、RTX 4090のマシンは別用途で利用する方針としました。
GeForce RTX 5090のマシンの候補はいくつかあり、HP OMEN 45L、Dell Alienware Area-51 が候補としてありましたが、
Alienware Area-51はOMEN 45Lよりスペックは若干良いですが、筐体が大きく、重量も10Kg以上重い(OMEN 45L 22.6Kg, Area-51 34.50 kg)ため、設置や取り回しの不安が大きいため断念して、OMEN 45Lを導入することにしました。なお、11月まで待つと、新型のOMEN MAX 45Lが候補に入ってきますが、AMDのCPUとなるため、Intel CPUのOMEN 45Lの
導入としました。
OMEN 45Lで安定して使えていた実績はあるので、安心感はありますが、筐体もほぼ同じデザインのまま変わり映えがしないのがちょっと残念です。
HPのオンラインストアで注文しました。2年前と同様に注文後に電話がかかってきて、
\1,100で3年保証と出張対応サービスがつけられるとのオファーがあり、最終的には電話注文になりました。(転売対策なのでしょうか?)
注文から5日で届きました。品薄はだいぶ解消されているようです。
CPU | Intel Core Ultra 9 285K (24Core(P-Core 8,E-Core 16, 24Thread) |
動作クロック | P-Core 3.7 GHz E-Core 3.2 GHz (Turbo Boost時 P-Core 5.5 GHz E-Core 4.6 GHz) |
チップセット | Intel Z890 |
メモリ | 64GB (DDR5 4800MHz) |
グラフィック | nVidia GeForce RTX 5090 |
ストレージ SSD | SAMSUNG MZVL22T0HBLB 2TB M.2 SSD (PCIe Gen 4x4 NVMe) |
ストレージ | HDD 2TB (SATA) |
ディスプレイ | なし |
インターフェイス(ビデオカード) | HDMI2.1 ×1, DisplaPort 1.4 ×3 |
インターフェイス(前面/天板) | SuperSpeed USB Type-A 5Gbps ×2. USB 2.0 Type-A ×2, ヘッドフォン出力/マイク入力, マイク入力 |
インターフェイス(背) | Thunderbolt 4 with USB Type-C 40Gbps ×1 (DisplayPort™ 2.1、電源オフUSBチャージ機能対応), SuperSpeed USB Type-C 10Gbps ×1 (電源オフUSBチャージ機能対応), SuperSpeed USB Type-A 5Gbps ×2, USB 2.0 Type-A ×2, ネットワークポート (RJ45) ×1, ライン出力, ライン入力, マイク入力 |
カメラ | なし |
無線LAN / Bluetooth | Intel Wi-Fi 6E AX211, Bluetooth 5.4 |
ボックスは下図です。
上部のふたを開けます。
箱の開け方がプリントされています。前回は手順通りにあけなかったため、大変苦労したため、今回は手順通りに開けます。
箱の中には電源ケーブルと保証書と書類が入っています。
取り出します。梱包材を外します。
箱の下のストッパーを外します。中のつまみをつまんで手前に持ち上げるようスライドします。つまみを手前に引き出します。
そのまま引っ張るとストッパーが外れます。
ストッパーを外すと、箱の側面を持ち上げられます。
本体を簡単に取り出せます。
本体です。
ケースの側面を外した状態です。RTX 5090のカードがケース内を占めています。
CPU、メモリ部分です。CPUの冷却ブロックの上面が液晶ディスプレイになっているようです。
PCI-Expressのスロットは1つ開いていますが、カードに覆われてしまっているため、PCI-express 延長ケーブルを利用すれば、
カードを増設できる状況です。スロットはPCI Express Gen4 x4 です。変換カードを利用すればSSDの増設もできそうです。
右側の側面パネルを外した状態です。ライティングボードと照明の配線があります。下には3.5インチのHDDベイがあり、
ハードディスクドライブが1台接続されています。右側には2.5インチのベイが2つあります。
前面ファンです。ファンは半透明でファン自体が光るようになっています。
底面部分です。電源の吸気は底面からになります。フィルタがついていますが、磁石でついているだけのため、触るとずれてしまう場合があるので、
注意が必要です。
背面です。
バックパネル部分です。モデル GT22-1990jpでは、Display Portの端子がありましたが、USB-Cでのディスプレイ出力になり、
Display Portの端子はなくなっています。
グラフィックの出力端子はHDMIが1つ、Display Portが3つです。
電源部分です。
付属品一式です。電源ケーブルと保証書類です。電源ケーブルのプラグは3ピンの形状です。
ハードディスクドライブは使わないので外してしまいます。TOSHIBA の2TBのHDDが接続されていました。
今回、いきなりですが、SSDを増設してしまいます。
初めにSSDのm.2のスロットを確認します。すでにスロットにSSDが取り付けられています。
説明によると、もう一つのSSDのスロットはRTX 5090のカードの下にあるらしいです。
ちょっと嫌ですが、カードを外してSSDを増設します。
いったん取り付けられているSSDを外してみます。
SSDKの外観です。結構大きいヒートシンクが取り付けられています。
後でわかることですが、RTX 5090のカードに下にあるm.2スロットにこのSSDを取り付けると、
大きいヒートシンクがカードにぶつかってしまうため、もう一方のスロットに取り付けられています。
RTX 5090とケースを固定している金属板のねじを外して金属板を外します。
外した金属板の下に、本体とカードがねじ止めされています。こちらの2本のねじを外します。奥にあるねじのため外しにくいです。
続いてスロットカード部分のねじを外します。
PCI-Express のスロットはつまみの部分を下に押し下げながらカードを引き抜きます。
RTX 5090のカードを外せました。もう一つのm.2スロットも確認できました。
今回増設するSSDはヒートシンクの高さが低いため、RTX 5090の下のスロットに取り付けできそうです。
m.2スロットにSSDを取り付けます。
カードを取り付けて元の状態に戻します。
以上でSSDの増設は完了です。
電源を入れます。電源を投入すると照明が点灯します。
前面ファンはファン全体が光ります。
CPUブロック部分の液晶ディスプレイが点灯します。
なお、グラフィックカードはモデル GT22-1990jpでは、文字部分(GEFORCE RTX)とカードの中央部分が点灯しますが、
モデル GT22-3000jp では文字部分(GEFORCE RTX 5090)のみが点灯します。カードの中央部分は白い線がプリントされているのみです。
電源投入後Windowsの初期設定があります。
設定後にデスクトップ画面が表示されます。(下図)
動作音は比較的静かですが、見える位置のファン数だけでも、フロントファン×3、リアファン×1、GPUカードファン×3があります。
冷却ラジエターに2つ、電源ユニットにもファンが1つついています。そのため、風切り音はあります。
CPUは負荷が少し上がった程度ではファンの回転数が上がらず、 動作音が大きくならないです。
低負荷時の動作音は、モデル GT22-1990jpよりわずかに静かな印象です。
一方で、GPUの負荷が上がった場合はそれなりにファンの回転数が上がり動作音は大きくなります。RTX 4090よりも動作音は大きくなる印象です。
リアファンからはかなり温かい熱風が出ます。
SDカードスロットはないため、デジタルカメラなどでSDカードを扱う場合には、別途SDカードリーダーを用意する必要があります。
本体にスピーカーは装備されていないため、本体だけではサウンドは再生されません。ヘッドフォンを接続するか、外部のスピーカーを接続する必要があります。
または、ディスプレイにスピーカーが装備されていれば、サウンドは再生されます。
Bluetoothも利用できるため、Bluetoothスピーカーを接続する方法もありです。
シンプルかつソリッドなデザインで違和感なく設置できます。筐体が大きいのはやむなしといったところです。
電源投入時の照明を消せるなどの制御ができるとさらに良いです。
フロントパネルやサイドパネルのガラスは高級感があります。パネルの開け閉めの感触も安っぽくなく、高級感があります。
RTX 5090を搭載しているため高速に処理できますが、RTX 4090と比較して30%程度速い状況です。 どちらかといえばVRAM容量が多いことで、できることの幅が広がるほうがメリットです。 詳細はこちらの記事を参照してください。
利用開始時から安定しており、問題なく利用できます。
筐体が大きく、重量があるためやや扱いづらい面はありますが、スペック、ケースの質感、パフォーマンス面で不満な点は少ないです。
これらの条件が満たせれば十分お勧めできます。
電源投入直後に[ESC]キーを連打します。
起動直後に[F2]キーを押します。