RODE NTG-3 のレビューです。
SHURE SM7Bを入手して、楽しいWeb会議とWebキャスティングライフが始まったのですが、
映像ありのWebミーティングをすることになってしまいました。そのため、顔の前にマイクが入る状態はちょっとよろしくない
状況になってしまいました。
また、SM7Bは優秀なマイクなのですが、マイクにかなり近づいてしゃべる必要があること、ゲインを上げるために、Cloud Microphone Cloudlifter CL-1 などのマイクアンプが必要なこともあり、固定して利用する場合は良いのですが、持ち運びして場所を変えるのはちょっと大変というデメリットもあります。
このようなことから、ガンマイクを入手することにしました。
試行錯誤しているうちに、マイク沼にはまってきてしまっている気がします。今回は十分に機種を吟味して決定したいと思います。
Web会議の映像にマイクを入れないようにしたいので、ガンマイク、または、ピンマイクのどちらかが導入候補になります。
ピンマイクも良さそうですが、ミドルレンジ以上のモデルはワイヤレスになっています。レシーバーなどの機材も必要になることや、ホール、大きめの部屋(スタジオなど)での用途になっているため、あまり良い選択ではないと思いました。今回はガンマイクを導入することにします。
ガンマイクの場合、メーカーとしては以下が有名です。
ゼンハイザーのガンマイクでは、「MKH416」というマイクが非常に有名です。定番のガンマイクと言われており、撮影などでも多用されています。
サイズの割には指向性が高いマイクと言われています。一方で設計が古いマイクのためか、レビューの録音結果を聞いた感じでは、ほかのモデルよりざらざらした感じのある機械的な録音結果になっている印象でした。(特に収音エリアの中心から外れた時に顕著な印象です。)
現時点で、ゼンハイザーのガンマイクを入手するのであれば、新しく開発された、MKH8070、MKH8060を入手するのが良いのではと思います。(MKH8070は長さが40cmありますので、屋内での利用はちょっと大変かと思います。)
ECM-680S, ECM-678/9Xなどのモデルが出ています。ビデオ機器と併用することがメインのようなので、あまり調べませんでした。
発売日やスペックから判断すると、ECM-678/9X, 、ECM-674/9Xが選択肢になるかと思います。販売している店舗が少ない印象でした。
ATM57a, AT8015などのモデルが出ています。周囲雑音が多い環境での収録用とされていることと、モデルが多すぎて選びにくいため、決め手に欠けました。
RODEのガンマイクはNTGシリーズが出ています。NTG3, NTG5, NTG8 などのモデルがあります。
レビューなどもたくさんあり、非常に良い評価になっています。MKH416との比較でもほとんど遜色のない音質で、状況によってはNTG3のほうが、
自然な音に聞こえる場合もありました。また、新しい設計で結露や悪天候に強いマイクになっています。
NTG5との比較では、NTG5よりサイズは大きいですが、低音がしっかり入るため、アウトドアでも使えるだけでなく、室内でのナレーション用途にも
向いているとの説明があります。
新しく登場したRODEのガンマイクです。新設計になっており、コンパクトですが指向性が高く、自然な音質で録音できるモデルです。
指向性はNTG3とほぼ同様ですが、低音が弱めになっており屋外や広い会場での収録により向いているモデルとの説明があります。
NTG3よりさらに指向性を高めたモデルです。長さが60cmあるため、ブームに取り付けての利用が前提のモデルです。
指向性が高いことから屋外用のモデルとされています。
CK69ULSがありますが、あまりレビューされていないようなので、候補から外れました。
屋内での利用が中心になることや、価格や購入しやすさ、耐久性などを検討した結果、RODE のNTG3Bを入手することにしました。
NTG8は指向性が高いのは魅力ですが、長さが60cmもあるため屋内の利用には適さないと思いました。
NTG3はシルバーのモデルと、ブラックのモデルNTG3Bがあります。ほかのモデル(NTG5, NTG8)はブラックしかないことや、NTG3Bのほうが後発とのことなので、NTG3Bを選択しました。なお、予算に余裕があればMKH8060もよいかと思います。レビューの録音結果を聴くと、NTG3よりダイナミクス感があり低音が強めに出る印象です。
Amazonでも購入できます。
パッケージは下図です。
ふたを開けると本体とキャリングケースが梱包されています。
箱の手前側にはポップフィルタとマイククリップが入っています。
中箱の下に説明書が入っています。
中箱の裏側にキャリングポーチが入っています。
内容物一式です。
説明書とステッカーです。
マイク本体、ウィンドスクリーン、マイククリップ、キャリングケース、ポーチが入っています。
本体の外観です。長さは25.5cmあります。
先端部分です。
根元の部分です。RODEのロゴがプリントされています。XLRケーブルのコネクタも根元にあります。
裏には型番が入っています。
付属のポップフィルタは下図です。
先端と根元部分です。
根元部分の穴から本体を差し込んで取り付けます。
本体にポップフィルタを取り付けた状態です。
マイククリップの外観です。
ねじ部分は変換ナットが付いており、太いねじにも取り付けられるようになっています。
XLR Blue Ring のゴムリングが付属しています。
XLRケーブルに隙間があるときに、ゴムリングを間に挟むようです。
キャリングケースの外観は下図です。
製造時のミス、強度検査の跡でしょうか?焼け焦げているようです。キャリングケースは使わないので、(本体に問題が無ければ)特に気にしないです。
ふたをねじると開けられます。
中には緩衝材が入っています。
キャリングケースに本体を差し込んでふたをすれば安全に持ち運びできます。
付属のポーチです。大きめなので、マイク以外にケーブルなども一緒に収納できそうです。
ジッパーで開け閉めできる構造です。
RODE DS1 Desk Standマイクスタンドに取り付けて利用します。
付属のマイククリップとマイクスタンドを組み合わせて取り付けた状態が下図です。
RODE SM4-R サスペンション ショックマウントに取り付けて利用します。
SM4-Rとマイクスタンドを組み合わせて取り付けた状態が下図です。
25.5cmと長さがあるマイクのため、マイクスタンドに取り付けると微妙な形状になりますが、長さが気になるレベルではないかと思います。
25.5cmでも長いと感じますので、56cm(XLRケーブルのコネクタを入れると60cmを超えます)の長さがあるNTG8では、かなり扱い難いと思います。
コンデンサーマイクのためファンタム電源による給電が必要です。オーディオインターフェイスを利用している場合は特に問題には
ならないかと思います。スマートフォンの外部マイクとして利用する場合は、スマートフォンに対応したオーディオインターフェイスを利用する必要があります。スマートフォンの利用ではTASCAM iXZを接続、またはRTG3をYAMAHA AG03へ接続し、AG03のラインアウトをTASCAM iXZの入力に接続し、入力モードを「ギター」にして問題なく利用できています。
コンデンサーマイクのため、高音部分を含めて鮮明な音質の印象です。電源供給のあるマイクのため出力レベルも高く、
入力のゲインを最大にしなくても十分なレベルで録音できます。
マイクからの距離が離れていても、録音に必要なレベルで音が入ります。ゲインのレベルにもよりますが、30cmから50cm程度離れていても
利用できる印象です。50cm程度距離を開けてしまうと、部屋鳴りが録音結果に若干入ってきます。
また、マイクの向いている方向から少しずれた程度では音声のレベルは大幅には下がらない印象です。マイクの正面でない前面60度程度の範囲であれば正面と同等のレベルで収音できる印象です。
UR22CのINPUTに接続して録音しています。Loop Back設定は無しでモノラル録音しています。UR22CのINPUTゲインは3時の位置としています。
この録音サンプルはスマートフォン(iPhone)のスピーカーからの音声を録音していますが、実際に人がしゃべる場合はもう少し大きな音で録音される印象です。
距離が近い場合(1cm,3cm,5cm)には音割れしているため、近づいて利用する場合はもう少しゲインを下げたほうが良いです。
実際の発声で利用する場合では30cmから50cm程度離れて利用しても高いクオリティーで録音できる印象です。