Adobe XD を利用するメリット
Adobe XD を利用するメリットを紹介します。
概要
Adobe XDが2017年の10月に登場して2021年10月で4年ほどになります。
機能追加やUI修正など、改良が続いていますが、最新のAdobe XDを利用するメリットをいくつか紹介します。
主な用途: ページのプロトタイプ制作
Adobe XDの主な用途の1つにページのプロトタイプ制作があります。1つのキャンバス内に複数のページデザインを作成でき、
ページの遷移もアートボード間の簡易的なリンクで実装できます。
手軽に作図でき、アイコンの画像なども簡単に配置でき、要素の繰り返し表示機能などもあるため、簡単に完成形イメージを作図できます。
メリット
- 簡単に作図ができる
- 繰り返しの表示もリピートグリッドで簡単に作図できる
- 1つのキャンバスに複数のページを記載できる
- アートボード間のナビゲーションを簡易に実装できる
- 色違い、デザイン違いのバリエーションの作図が簡単にできる
- 回覧の際にWebに公開した共有ドキュメントでコメントを共有できる
- Photohsop, Illustratorより動作が速い
などがあります。
デメリット
一方で、小規模なチームではメリットが感じられないことも多いです。
- Adobe XDで作図するより、CSS、HTMLを記述したほうが速い、XD作図が2度手間になる
- ナビゲーション機能は便利だが、最終的なHTMLのページの実装とはクリック時のフィーリングが違う
- マウスオーバーなどの細かい挙動も実装できるが、それこそ2度手間
- Adobe XDの出力が実装面ではほとんど役に立たない
などがあります。
ということもあり、小規模なチームでは使用しないことも多いかと思います。
用途: 画像加工
別の用途として、画像の加工に意外と便利です。
スクリーンキャプチャ画像をトリミングしたり、Webページの修正指示を出すために、Webページのキャプチャ画像をトリミングしたり、
説明書きを追加したりする作図に便利に使えます。
この作業を今まではPhotoshopで実施していましたが、Adobe XDに変えることで以下のメリットがあります。
メリット
- 動作が快適 (Photoshop, Illustrator より)
- 1つのキャンバスに複数のイメージ、アートボードを配置できる。(Photoshopでは1イメージ1ファイル、Illustratorはできる)
- ベクタ画像の配置がわかりやすい (Photoshopだとスマートオブジェクトになってしまう)
- アートボードをまとめて書き出しができるため、エクスポートが楽
- 色違い、デザイン違いのバリエーションの作図が簡単にできる
- アートボードをコピーすると、アートボード内の表示が画像としてコピーできる
- SVGとしてコピーすれば、Illustratorへのコンバートもスムーズ
- アートボードをコピー&ペーストで簡単に複製できる
- テキストの配置が容易、幅指定のワードラップも簡単
デメリット
- 元ファイルを渡すときに、xd だと嫌がられる。(まだまだ、普及の途上)
- PDFへのエクスポートが弱い、キャンバス全体をPDFにできない
- ページをどんどん増やしてしまい、ファイルが巨大になる。
- 細かいパーツは、Photoshop、または、Illustrator で作図する必要がある。(1アプリ完結とはならない)
- Webページ修正指示の場合、小規模なチームでは直接コードを修正してレビューするほうが効率が良い
作図用途でも、小規模なチームの場合は直接コードを修正してレビューしたり、スクリーンキャプチャを取得したほうが効率が良いため、
ある程度のチーム規模がある場合の運用で活用の機会が多い印象です。
用途: オンラインミーティングでの資料提示、ディスカッション用ホワイトボード
テレワークの普及に伴い、オンラインミーティングでのホワイトボードとしても結構使えます。
共同で1つのホワイトボードを共有して、同時に編集をする場合は、Google Jamboard, Microsoft Whiteboard などの専用ツールを利用するのが適切ですが、
画面共有しながら議事をメモしていく使い方や、進行役が画面を見せながら説明するなどの用途で使えます。
メリット
- 動作が快適 (大規模なイメージの場合に特に顕著)
- 共同編集できないため、勝手に変更させたくない場合に適している
大きな構成図をPDFやExcelで開くとスクロールが重い場合などがありますが、Adobe XDで開くと
スクロールや拡大、縮小が高速に動作して、スムーズにオンラインでも説明ができます。
デメリット
- 共同編集するのであれば、Google Jamboard, Microsoft Whiteboardのほうが適している
- PowerPointでも良くない?
まとめ
これまではページプロトタイピングでは、あまり活躍していなかった、Adobe XDですが、作図面では最近は活用の機会が増えてきました、
Adobe XDで画像を編集、加工して、PowerPointやExcelにペーストする使い方であっても、Photoshop、Illustratorより快適に作業できるケースも多いです。
一方で、印刷前提のデータを扱う場合などの最終出力イメージを編集するのであれば、細かい調整ができる、PhotoshopやIllustratorの利用が適しています。
著者
iPentecのメインデザイナー
Webページ、Webクリエイティブのデザインを担当。PhotoshopやIllustratorの作業もする。
最近は生成AIの画像生成の沼に沈んでいる。