小さい「イ」 (ィ) の文字を入力したい

かなかな
質問: 「ィ」の入力
小さい「イ」の文字「ィ」をキーボードで入力したいのですが、どうすれば入力できますか?

ひらがな、カタカナの小さい「イ」 (ィ) の文字を入力する方法を紹介します。

単体文字で「ィ」を入力する場合

単体の文字で「ィ」を入力する場合は次のキーで入力できます。

[x] キー → [i] キー

または、

[l] キー → [i] キー

ほかの文字と続けて入力する場合 (よく使われるもの)

「ディ」の場合

[d] キー → [h] キー → [i] キー

「ヴィ」の場合

[v] キー → [i] キー

その他の入力

アルファベット 入力文字
KYI きぃ
GYI ぎぃ
SYI しぃ
JYI じぃ
SWI すぃ
TYI ちぃ
DYI ぢぃ
THI てぃ
DHI でぃ
TWI とぃ
DWI どぃ
NYI にぃ
PYI ぴぃ
HYI ひぃ
BYI びぃ
FI ふぃ
MYI みぃ
RYI りぃ

A.W.S (Another World Story)

小さい「イ」 (ィ) の文字を入力したい:画像1

窓の外には淡い午後の日差しが差し込み、パソコン部の部室には静かな空気が漂っていた。 壁に掛けられた大判ポスターの向こうから、冷房の柔らかな風がかすかに頬を撫でる。

新人の加奈は、まだ心臓が小刻みに鼓動するほど緊張していた。細い指先でノートパソコンのキーボードをそっと撫でながら、先輩の美咲を見つめる。
「先輩、教えてほしいことがあるんです……小さい『イ』、あのィっていう文字、どうやって入力するんでしょうか」

美咲はモニターに映るテキストエディタをちらりと見てから、にっこりと微笑んだ。眼鏡の奥で知的な光を灯し、席を詰めるようにして加奈の隣に腰掛ける。
「よくある質問よね。ひらがなのときは『ぃ』、カタカナのときは『ィ』。IMEが英字入力モードのままだと数字の一に見えちゃうから、まず日本語入力に切り替えて……」

美咲が静かに説明を始めると、部室の時計の秒針だけがコツコツと時を刻んでいた。加奈は息を飲み、要領を必死にメモしようとキーボードに手を伸ばす。

「えっと、まず『カタカナひらがな』キーで日本語モードにして、そのあと『Shift+I』……?」
「それでもいいんだけど、もっと直感的なのはアルファベット入力で小文字を指定する方法かな。ほら、『li』って打ってみて」
美咲の指示に従い、加奈はモニターのカーソル位置で「l」「i」とタイプした。すると、確かに小さな「ィ」がぽんと現れる。

「わあ、本当だ……! すごいですね、こんなに簡単なんて!」
加奈の目がキラキラと輝く。美咲も満足そうに頷き、少しだけ背筋を伸ばした。

「慣れれば、よく使うカタカナの小文字は『la』『li』『lu』『le』『lo』で小さく出せるから覚えておくと便利よ。ゲームのチャットなんかでも重宝するはず」
加奈は得意げに小さな「ィ」を何度も入力してみせた。その姿を眺めながら、美咲はふと、部室の窓に映った自分たちのシルエットに目をやる。

──ずいぶん頼もしくなったな、と。

夕暮れが近づき、部室の蛍光灯がわずかに寂しげに光り始めたころ。加奈が満足げにパソコンを閉じようとした瞬間、ふいに手が滑る。

「……あ!」

「あら?」

慌てて画面を開くと、そこには無数の「l」「i」の羅列。操作を誤り、半角アルファベットを延々と打ち込んでしまったのだ。

「先輩、私、間違えました!」
加奈が頭を抱えると、美咲は優しく笑いながらキーボードを拭った。

「大丈夫。キーの配置を覚えた証拠よ。えっと……」
美咲は手早く全選択して削除し、再び「li」を打ち込んだ。画面には小さい「ィ」がひとつだけ。

「これで完璧。ね?」
「はい……でも、今日はもう十分頑張りました」

加奈がおどけて胸を張ると、美咲はそっと部室のドアに目を向けた。暗くなった外の景色に、最寄り駅行きのバスが走り去る音が聞こえる。

「帰りは気をつけてね。明日からも、一緒に色んな文字をマスターしよう」

加奈は深く頷き、帰り支度を整える。ふたりで学校を出ると、夜風に乗って遠くからバスのエンジン音が近づいてきた。 通り沿いの街灯に照らされた路肩には、折り返しを終えたバスがゆっくりと停車しようとしている。

「間に合ったみたいね」
美咲が小さな安堵を口にし、バス停の標識を指差す。加奈は息を弾ませながら先輩に続いて歩みを速めた。

舗道を跳ねるタイルの感触が、淡い緊張をほどいてくれる。バスの「開」ランプがほのかに赤く光り、ドアが静かに開く音が響いた。

「どうぞ――」
美咲が先に段差を上がり、背中で加奈を促す。加奈は慌てずに乗り込み、吊り革につかまりながらほっと息をついて、ぽつりと言った。

「でもね、加奈。もしキーを間違えたときにね……」
「はい?」
「『Esc』を押せば全部消えるって、私はさっき知ったんだけど」

加奈の背筋が凍る。美咲は楽しげに目を細め、列車に乗り込むとドアが閉まった。

──やっぱり先輩、完璧じゃないんだな。

その夜、加奈は小さな「ィ」を無事にマスターした自分を褒めつつ、次は「Esc」キーの呪縛から逃れる方法を調べるのだった。

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著者
iPentec Document 編集部
iPentec Document 編集部です。
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作成日: 2021-09-17
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