Active Directory の1台目ドメインコントローラの交換手順を紹介します。1台目のドメインコントローラーはFSMO(Flexible Single Master Operations:操作マスター)になっているため、この役割を他のドメインコントローラに転送してからドメインコントローラの役割を外す必要があります。
次の手順で交換を実施します。
こちらとこちらの記事で紹介している手順で新しいドメインフォレストを作成しました。
こちらの記事で紹介している手順で新しいドメインコントローラをドメインに追加しました。
こちらの記事で紹介している手順で3台目のドメインコントローラーを追加します。
最初のドメインコントローラーの役割を3台目のドメインコントローラに転送します。手順は次の通りです。
コマンドプロンプトを表示します。コマンドラインから
スキーママスタを転送します。スキーママスタはフォレストに1つしかない役割のため交換の際は他のドメインコントローラに転送しておく必要があります。fsmo maintenance: プロンプトで
続いてRIDマスターを転送します。RIDマスターはドメインに1つしかない役割のため、RIDマスターも他のドメインコントローラに転送しておく必要があります。
fsmo maintenance: プロンプトで
namingマスタを転送します。namingマスタはフォレストに1つしかない役割のため交換の際は他のドメインコントローラに転送しておく必要があります。fsmo maintenance: プロンプトで
infrastructure マスタを転送します。infrastructure マスタはドメインに1つしかない役割のため交換の際は他のドメインコントローラに転送しておく必要があります。fsmo maintenance: プロンプトで
"DC3"サーバーにinfrastructureマスターの役割を転送する旨の確認ダイアログが表示されます。[はい]ボタンを押してinfrastructureマスターをDC3に転送します。
転送が終わると下図の画面となります。
PDCエミュレーターを転送します。PDCエミュレーターはドメインに1つしかない役割のため交換の際は他のドメインコントローラに転送しておく必要があります。fsmo maintenance: プロンプトで
"DC3"サーバーにPDCエミュレーターの役割を転送する旨の確認ダイアログが表示されます。[はい]ボタンを押してPDCエミュレーターをDC3に転送します。
転送が終わると下図の画面となります。
それぞれのプロンプトで "q" を入力し終了します。
操作マスターが転送されているか確認します。[Active Directory ユーザーとコンピューター]を開きます。左側のツリービューで対象のドメインのノードを選択します。
右クリックでポップアップメニューを表示します。メニューの[操作マスター]をクリックします。
ダイアログが開きます。[操作マスター]の欄に操作マスターのサーバーが表示されます。DC3に操作マスターの役割が転送されていることが確認できます。
PDCタブも確認します。
インフラストラクチャータブも確認します。
dcpromoコマンドを実行し、ドメインコントローラーの役割を外します。