Apple MacBook Pro 16-inch 2019 のレビュー です。
これまでMacを利用していましたが、レンタル品での一時的な利用であり、Macを十分に使い込んではいませんでした。最近になり、Visual Studio for Macの登場や、.NET Coreの登場により、クロスプラットフォーム環境のアプリ開発環境が整ってきたこともあり、Macを利用して、どの程度の開発ができるか、どんなアプリケーションが開発できるかなどを本格的に試してみることにしました。そのためにMacを入手することに決めました。
Macを入手するにあたり、下記のどのMacを購入するか検討することにしました。
Macの用途はプログラミングやアプリケーション開発のため画面のサイズの大きいものが良いだろう、とのことで、最初に候補に挙がったのが iMac 27インチモデルでした。ディスプレイも5Kディスプレイで高解像度ディスプレイでMacの特徴も生かせると思いました。しかし、既にWindows PCがありディスプレイもデスクにあるため、さらに27インチのiMacを並べるのはちょっと難しいとの結論になり、iMacは候補から外れました。
次に、既にディスプレイがあることから、Mac miniを検討しました。Mac miniは省スペースでコンパクトで扱いやすく良さそうでしたが、2018年のモデルのため、ストレージ容量がやや少ないこと、ストレージを増やすと割高になってしまうこと、Windowsマシンのディスプレイに接続するためMacの特徴である高解像度を生かしきれないのではないか、などを考えて候補から外すことにしました。
続いて MacBook Pro 16インチを検討しました。2019年の最新のモデルのためSSDストレージの容量も比較的大きく、メモリ量やスペックも時節にあっています。また、ディスプレイが16インチあり、5Kディスプレイほどではないにしても、比較的高解像度のディスプレイでデスクトップ並みの使用感が得られるのではないかと考えました。また、うまくいかなかった場合は外部ディスプレイに接続し、外付けキーボードを利用してMac miniと同様の使い方をすることもできると考えました。
検討の結果 MacBook Pro 16インチモデルを入手することにしました。
Apple Storeで注文することにしました。プログラミングやアプリケーション開発で利用するため、コア数の少なく、動作クロックの高いIntel Core i7プロセッサーの 2.6Ghz モデルを入手することにしました。ストレージは512 GBとやや小さめですが、大半のデータをNAS上に格納する運用をしているため、問題ないと判断しました。
今回はスペースグレイのモデルを注文しました。
CPU | Intel Core i7 9750H (6Core) |
動作クロック | 2.6 GHz (Turbo Boost時 4.5GHz) |
メモリ | 16GB (DDR4 2666) |
グラフィック | Radeon Pro 5300M (GDDR6 4GB) |
ストレージ | 512GB (NVMe SSD) |
ディスプレイ | 3,072×1,920 Pixel 16インチ |
インターフェース | Thunderbolt 3×4 (USB Type-Cコネクタ), ヘッドフォンポート |
カメラ | ディスプレイ側カメラ |
無線LAN | IEEE 802.11ac (Broadcom) |
無線 | Bluetooth 5.0 |
カスタマイズすると割高になるため標準品を注文しました。標準品であればすぐに出荷されます。
注文して2日後に届きました。梱包の箱は下図です。
丈夫な段ボール箱です。ふたの部分はテープで止められています。
テープを切るための取っ手がついています。親切です。
取っ手を引っ張ると簡単にテープを切れます。テープを切り取りました。
ふたを開くと中にMacBook Proの箱が梱包されています。
MacBook Proの箱です。写真ではわかりにくいですが、ビニールのラッピングがされています。
ビニールのラッピングを外します。
ふたを開くと、MacBook Proの筐体が見れます。
MacBook Proの本体は箱にぴったりと梱包されているため、本体を取り出すための取っ手があります。こちらを引っ張ると本体を箱から出せます。
箱から本体を取り出します。箱の下には付属品が梱包されています。
説明書類やステッカーが梱包されているボックスです。"Designed by Apple in California" の文字がプリントされています。
ボックスを取り出すとその下に充電用のACアダプタが梱包されています。
こちらは充電用のUSB Type-Cケーブルです。
内容物一式です。非常にシンプルです。
説明書類が梱包されているボックスです。表面に "Designed by Apple in California" の文字がプリントされています。
中には説明書類とりんごのステッカーが入っています。
MacBook Proの名称を紹介する簡単な説明書も含まれています。
ACアダプタです。紙でラッピングされています。
ACアダプタの外観です。大きさは従来のMacBook Proのアダプタと同じ大きさに見えます。
ACアダプタ用のケーブルです。このモデルの MacBook Proでは充電は USB Type-C のケーブル(Thunderbolt 3)を利用するようです。
ケーブルの外観です。
ケーブルの両端ともにUSB Type-C のコネクタになっています。
本体です。ビニールシートでラッピングされています。
ビニールシートを外した状態です。底面には硬めのゴム足が4つついています。
ディスプレイを開くと、液晶ディスプレイ面に不織布が挟まっています。ディスプレイを開けるだけで電源が入り、初期セットアップが始まります。
初回起動時の初期設定はこちらの記事を参照して下さい。
ディスプレイです。表面に光沢のあるディスプレイです。
MacBook Proのロゴがディスプレイの下部分に控えめにプリントされています。
キーボードです。テンキーはありません。PCメーカーのWindowsのノートPCではキーボード部分が別のパーツで構成されていますが、MacBook Proは本体とキーボード部分が一体になっています。キーボードと本体の間に隙間ができないため、ゴミもたまらず印象が良いです。
キーボードはバックライトが点灯します。
タッチパッドは一般的なノートPCと比較すると非常に大きいです。
軽すぎず、重すぎずちょうどよいトルクで動かせます。MacBook Pro 15-inch Mid 2015 より若干軽くなっている印象です。特に閉めるときに軽く閉じられます。
タッチバーです。タップとスライドができます。表面が滑らかな材質になっており、指をスライドしやすくなっています。
明るさアイコンをタップすると、タッチバーが下図の状態に変わります。スライドすることで明るさを調節できます。
キーボードに向かって右側の奥にThunderbolt3(USB Type-Cコネクタ)が2つ、ヘッドフォン端子があります。
キーボードに向かって左側の奥にThunderbolt3(USB Type-Cコネクタ)が2つあります。Thunderbolt3端子4つのみとなっており、シンプルな構成になっています。
充電は付属のThunderbolt3(USB Type-C)ケーブルでACアダプタと本体を接続します。
ACアダプタとケーブルを接続します。
本体とケーブルを接続します。コネクタは4か所ありますが、どのコネクタに差し込んでも充電できます。
充電が始まると、画面上部右側のステータスメニューの電池のアイコンが充電状態に変わります。
Macはデザイン重視のため、シンプルですっきりした外観でおしゃれです。
筐体はアルミを切削して作られた一体型のボディのため、継ぎ目やたわみも少なく高級感もあります。半面重量はやや重いです。
今回スペックの低いほうのモデルを入手しましたが、Webブラウザなどを利用したWebブラウジングやファイル操作は問題ありませんでした。体感速度は非常に速く十分なスペックだと感じれます。XCodeでのプログラム実行も問題ありません。XCodeのUIもスムーズに動作します。
特にApple製のソフトウェアと組み合わせた時の操作感、SafariでのWebブラウジングやFinderでのファイル操作の体感は非常に良いです。
ストロークの浅いパンタグラフ式のキーボードです。MacBook Pro の Mid 2015 モデルを利用する機会がありますが、Mid 2015モデルのキーボードよりもキーの押し下げは若干ですが、軽い使用感があります。ストロークは浅めですが打鍵感はあり、ミス入力になることは少ないです。
HP EliteBookのキーボードもMacBook Proに似た打鍵感ですが、HPのほうが若干押し下げが重い印象です。MacBook Pro 2019のほうがより軽い使用感のキーボードになっています。
トラックパッドは従来モデルからさらに大型化され、操作しやすいです。タップ時のクリック感は物理スイッチではなく磁力で制御している仕組みのため、タッチの反応も軽く、トラックパッドのどの位置をタップしても同じ感触が得られます。図形描画などの細かい操作をしないのであれば、マウスを使わずトラックパッドでの操作だけで十分利用できます。
Mid 2015モデルとの比較では、タップ反応までの押し下げは、2019モデルの方が若干軽く反応する印象です。一方で、タップの際のクリック感は2019モデルの方が少しだけ強い印象です。
表面が滑らかな材質でできているため、指を滑らせやすく、使用感も良いです。TouchBarのディスプレイは解像度が低いため、表示には液晶特有の粒状感が感じられますが、実用上は問題ない表示です。
解像度は3,072 x 1,920ピクセルのディスプレイです。高解像度のディスプレイで文字や画像は鮮明に表示されます。Macの場合画面のサイズに合わせてフォントサイズが自動で調整されるため、高解像度ディスプレイであっても、文字が小さすぎる表示にはなりません。
ディスプレイは光沢のあるディスプレイですが、明るい場所では画面を表示した状態であっても若干の背景の反射や映り込みがあります。一方でコントラストが高く、発色は良く黒色は締まって見えます。
ノートPCとしては非常に高品質なサウンドが再生できます。Windows のノートPCとの比較では、EliteBook 850 G5より圧倒的に鮮明感の高いサウンドが再生できます。サウンドの品質が高いため、映画やビデオのストリーミング再生などの用途でも十分に使えると思います。
スピーカーは高音部分でハイレゾスピーカー特有の、若干チリチリした音が感じられますが、全体としては鮮明感のあるサウンドが再生できます。また、大音量の重低音を再生した場合も若干音割れがある印象です。
Mid 2015 モデルと比較すると明らかにサウンドが違います。特に顕著なのは低音がしっかり出ることです。高音部も Mid 2015では透明感のある音質ですが、若干チリチリしたスピーカーらしい音がしますが、2019モデルでは高音部もとてもすっきりとした音が出ます。中音域や低音域が強く出るため、2019もでるのサウンドのほうが「もやっと」した感じに聞こえてしまう印象を持つかもしれませんが、スピーカーの性能は明らかにMid 2015モデルより向上しています。
筐体はアルミ製の一体型のため、筐体に継ぎ目がなくシンプルでデザインも良いです。一方で重量は同サイズのノートPCよりは重いです。HP EliteBook 850 G5と比較すると、EliteBookが約1.8Kg、MacBook Pro 16inchは2.0Kgのため、200gほど重いです。
また、一般的なノートPCは筐体に衝撃吸収などの目的で「たわみ」が少しあるものが多いですが、MacBook Proは全て金属製のため、たわみがなく、筐体を持った際にソリッドな(中身がきっちり詰まっている)感じがあります。
体感での動作速度が速く、画面描画もスムーズのため若干電力の消費は大きい印象です。インストール作業やプログラムのビルドなどをしている場合は6時間~7時間程度でバッテリーが無くなる印象です。
Apple製だけあり、デザインと質感にはこだわっているPCです。高級感があり、購入してがっかりはしないPCですので、Windowsマシンの必要性が少ない場合はお勧めできるマシンだと思われます。~