IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する

IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する手順を紹介します。

概要

こちらの記事では、ControlNetを利用して、カラーラフから着色されたカラーイラストを生成する手順を紹介しました。 紹介した方式で、カラーのイラスト画像を生成できましたが、色の振れ幅が大きい結果になりました。 この記事では、元のカラーラフの色をより強く反映させるため、IP-Adapterを併用して、色の振れ幅を抑えつつ、クリンナップされた画像を生成する手順を検証します。

今回は以下の複数の方法を利用して検証します。

  • txt2img
    • ContorlNet CN-anytest_v3-50000_fp16 を利用
    • ContorlNet CN-anytest_v4-marged を利用
    • ContorlNet dart_v2_sft_img_BlurCN_fp16 を利用
  • img2img
    • ContorlNet CN-anytest_v3-50000_fp16 を利用
    • ContorlNet CN-anytest_v4-marged を利用
    • ContorlNet dart_v2_sft_img_BlurCN_fp16 を利用

準備

IP-Adapter

今回はStable Diffusion WebUIを利用します。IP-Adapterを導入します。詳細はこちらの記事を参照してください。

入力画像

ラフ画像に着色した画像を作成します。下図の画像を用意しました。

IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像1

txt2img

txt2imgで準備した画像をControlNetの入力に設定します。 [ControlNet unit 0]は "CN-anytest_v3-50000_fp16" "CN-anytest_v4-marged" "dart_v2_sft_img_BlurCN_fp16"のいずれかを設定します。 [ControlNet unit 1]は IP-Adapter の設定をします。Preprocessorには"ip-adapter_clip_sdxl_plus_vith" を Modelに"ip-adapter_sdxl_vit-h" を設定します。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像2 IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像3

CN-anytest_v3-50000_fp16

CN-anytest_v3-50000_fp16を使用した場合の結果です。

IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像4
IP-Adapter のWeightが1.0の場合の結果です。形状は入力画像を反映しています。カラーは入力画像と色味は同じですが、若干淡くなる傾向です。色の大きな振れは無くなります。 塗りわけも入力画像と同じになるため、細部はペイントされず、フラットな塗りになります。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像5
IP-Adapter のWeightが0.5の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像6
IP-Adapter のWeightが0.25の場合の結果です。
IP-Adapterの影響が弱まるため、細部が描画されるようになり、フラット感が弱まりますが、カラーの振れ幅も大きくなります。

CN-anytest_v4-marged

CN-anytest_v4-margedを使用した場合の結果です。

IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像7
IP-Adapter のWeightが1.0の場合の結果です。CN-anytest_v4-margedの補正力が強いため、元のラフの形状通りではない部分が多く見られます。 IP-Adpterの影響が強いためフラット感のあるペイント結果になります。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像8
IP-Adapter のWeightが0.5の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像9
IP-Adapter のWeightが0.25の場合の結果です。
IP-Adapterの影響が弱まるため、細部が描画されるようになり、立体感のあるペイント結果になります。

dart_v2_sft_img_BlurCN_fp16

CN-anytest_v4-margedを使用した場合の結果です。全体的にフラット感のある画像の生成結果になります。

IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像10
IP-Adapter のWeightが1.0の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像11
IP-Adapter のWeightが0.5の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像12
IP-Adapter のWeightが0.25の場合の結果です。

img2img

img2imgで画像生成します。入力画像に準備したカラーラフを設定します。 [ControlNet unit 0]は "CN-anytest_v3-50000_fp16" "CN-anytest_v4-marged" "dart_v2_sft_img_BlurCN_fp16"のいずれかを設定します。 [ControlNet unit 1]は IP-Adapter の設定をします。Preprocessorには"ip-adapter_clip_sdxl_plus_vith" を Modelに"ip-adapter_sdxl_vit-h" を設定します。

IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像13 IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像14

CN-anytest_v3-50000_fp16

CN-anytest_v3-50000_fp16を使用した場合の結果です。

IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像15
Denoising strengthが0.75でIP-Adapter のWeightが1.0の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像16
Denoising strengthが0.75でIP-Adapter のWeightが0.5の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像17
Denoising strengthが0.75でIP-Adapter のWeightが0.25の場合の結果です。


IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像18
Denoising strengthが0.9でIP-Adapter のWeightが1.0の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像19
Denoising strengthが0.9でIP-Adapter のWeightが0.5の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像20
Denoising strengthが0.9でIP-Adapter のWeightが0.25の場合の結果です。

CN-anytest_v4-marged

CN-anytest_v4-margedを使用した場合の結果です。

IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像21
Denoising strengthが0.75でIP-Adapter のWeightが1.0の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像22
Denoising strengthが0.75でIP-Adapter のWeightが0.5の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像23
Denoising strengthが0.75でIP-Adapter のWeightが0.25の場合の結果です。


IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像24
Denoising strengthが0.9でIP-Adapter のWeightが1.0の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像25
Denoising strengthが0.9でIP-Adapter のWeightが0.5の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像26
Denoising strengthが0.9でIP-Adapter のWeightが0.25の場合の結果です。

dart_v2_sft_img_BlurCN_fp16

CN-anytest_v4-margedを使用した場合の結果です。全体的にフラット感のある画像の生成結果になります。

IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像27
Denoising strengthが0.75でIP-Adapter のWeightが1.0の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像28
Denoising strengthが0.75でIP-Adapter のWeightが0.5の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像29
Denoising strengthが0.75でIP-Adapter のWeightが0.25の場合の結果です。


IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像30
Denoising strengthが0.9でIP-Adapter のWeightが1.0の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像31
Denoising strengthが0.9でIP-Adapter のWeightが0.5の場合の結果です。
IP-Adapter と ControlNet を併用して、カラーラフからクリンナップされたイラストを生成する:画像32
Denoising strengthが0.9でIP-Adapter のWeightが0.25の場合の結果です。


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著者
iPentecのメインデザイナー
Webページ、Webクリエイティブのデザインを担当。PhotoshopやIllustratorの作業もする。 最近は生成AIの画像生成の沼に沈んでいる。
作成日: 2024-06-05
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